部長は高い次元で品質、コスト、納期のバランスをとらなければならない。

部長は、高い次元で製品やサービスの品質、それにかかるコストと納期について、バランスをとる必要があります。

それは間接部門であっても同じです。

自部門だけの利益を考えるといけません。

会社全体のバランスを考えて、品質、コスト、納期のバランスをとる必要があります。

自部門だけを考えると経営陣から視野が狭いと言われます。



①品質

多くの会社では、品質が過剰であることが多いです。

本当にお客さんが求めていることは何なのか。

無くても不自由せずあれば良い程度の機能のものに力を注いでいないか。

他社との差別化は十分か。

自社製品の中で位置付けが明確か。

そんなことを部長は考えます。

重複していたり、意味が見出せないなら、変更すべきです。

使う頻度の低い機能群を充実させるよりも、1つ飛び抜けた機能に注力すべきです。

売れる商品は、気に入る人と気に入らない人が明確に別れます。

みんなが「いいね!」という商品は現実には売れません。

「いいね!」とボタン押すだけと、買うのとでは全然違う結果になります。

例えば、「これは自分のために作られたものだ」とお客さんに思ってもらえれば、その製品やサービスは売れます。

なので、部長は必要のない機能やサービスをばっさりやめて、特化したものを目指します。

日本にはモノがあふれていますので、特徴のない製品やサービスは、価格競争に巻き込まれます。



②コスト

人件費が最も高いコストになることが多いです。

優先順位の低い業務に人を張り付けるのも、高コスト体質になります。

常に外部へアウトソースすることや業務を止めることも部長は考えなければなりません。

間接部門でも積極的に自動化や省力化を考えて、コストを下げましょう。

あるオフィスでは、夜に膨大な書類を自動スキャンさせて、自動で処理できるシステムを開発したとかで、朝来た担当者はチェックする作業だけになり、人件費が半分になったそうです。

また、研究開発部門では、「時間を買う」という概念があります。

この部門の部長は、開発時間を短縮するために積極的にお金をかけて時間短縮につながる方策を考える必要があります。

それが、研究開発部門の部長に求められています。

③納期

納期は自部門だけで閉じているものは少ないと思います。

製品であれば、出荷するまでの期限を意味しますし、ソフトウェアなんかであれば、先方への導入が納期となります。

営業部門の部長であれば、お客さんからの納期要望を社内の研究開発部門と相談することなく、勝手に納期を決めて持って帰ってくることがあります。

こんなことは通常許されないのですが、顧客至上であれば文句が言えないのも現実にあるかと思います。

その後で、各部門に「これが最後だから頼むよ」みたいな泣き落としでプロジェクトを進めたりします。

一度目は要望を聞いてもらえましたが、2度目の無理強いは、社内ではしごを外される可能性もありますので、慎重に進める必要があります。

一方、法律的には問題ないが、社内規定の検査で品質が基準に満たない場合、検査や品質部門の部長は納期を遅らせることも考える必要が出てきます。

合わせて社内基準の合理化や検査手続きの簡素化も検討する必要が出てきます。



まとめ

多くの部長は自部門の効率化と最適化に勤しむのですが、会社全体を俯瞰した品質、コストと納期のバランスを考えた施策を打てません。

一方、経営陣は自部門に限らず視野を広くすることを部長に求めています。

ですので、部長はこれらを高度にバランスをとる必要があります。

コストを下げて品質を落とすだけでない方法や納期を遅らせずに品質を維持するなど二律背反する事を両立させる手立てを考えます。