会社の動的平衡。新陳代謝を行わないと会社がつぶれます。
ヒトの骨は、たくさんの破骨細胞という細胞に溶かされ、たくさんの骨芽細胞によって骨が作られるという新陳代謝を行なっています。
それは、変わらない様に見えますが、常に新しくなっていて骨の強度を保っています。
いわゆる動的平衡というもので、会社も同じと思っています。
常に何かをやめて、常に何かを作り出さないと会社の強度が弱くなり、会社はつぶれてしまいます。
「会社は、何かを常に壊し、何かを常に作って、新陳代謝を良くしないとつぶれる。」
この前、相談を受けた会社は、50年前から続くオバケ商品1本でしのいでいます。
TVのCMでも夜中などで見かけたりする商品です。
それ以外の製品も出しているのですが、オバケ商品の派生品だったりするので、実質オバケ商品しか売っていません。
それで、会社の売上は、ジリ貧が続き右肩下がりで、利益もギリギリ黒字です。
生産設備も古く、継続的な投資がされていません。
社員は、ジリ貧だけど新製品を出すなどチャレンジをしていませんでした。
彼らは、オバケ商品を売る昔ながらの商法で、保守的で思考停止に陥っている様に見えました。
父から会社を任された息子の新社長にヒアリングした結果、このような状況を変えるべく、改革を進めていきたいとのことでした。
しかし、何から手を付けていいのか分からないとのことで、コンサルタントを雇われました。
それで、社長に社員への思いを聴き、さらに、役員、部長、課長、社員に会社の現状を聴きました。
皆さん、このままではいけないと、認識はしていました。
「現状を変える行動はされていますか?」
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上記の私の質問に皆、首を横に振ります。
「リーダーシップ」という言葉は、誰の口からも一度も出て来ませんでした。
先代の社長が活躍した時代では、リーダーシップが無くても、商品は売れました。
そういう時代でした。
しかし、現状はそうではなく、目標を達成するために、個人のリーダーシップ発揮が必要になっています。
さきのヒアリングを含めて、この会社を診断した結果、各個人のリーダーシップ発揮の総量が足りていませんでした。
それは、社長などの指導力だけでは、自律的に会社が回らない状態でした。
先の骨で例えるなら、骨芽細胞の数が足りません。
つまり、新製品を作ったり、新しいことにチャレンジする社員が極端に少ないのです。
それが会社のDNAとして染み込んでいました。
「まず、チャレンジする社員を増やすことから始めましょう。」
と、社長に提案しました。
仕事の目標管理にチャレンジ項目をいれ、評価期間中にどんなことにチャレンジしたのか、書くようにしてもらいました。
チャレンジして失敗したとしても評価が下がることはない制度にしてもらいました。
少しずつですが、社内の雰囲気が変わって来ています。
結果が出るまでには、もう少し時間がかかりそうです。結果が出れば、このブログでご紹介いたします。