できる部長の仕事術とは?
「部長の仕事術とは何でしょうか? 」ある部長研修で問うてみました。
参加者からは、「課長は戦術を使う。部長は戦略を立てる。」とか、「課長は個人を見る頻度が高いが、部長はグループ単位で見る頻度が高くなる。」など、良い意見が出てきました。
さすが、部長さん達です。課長との仕事の違いは理解しています。
次に、「役員の仕事とは何でしょうか?」と問うと、「部をまとめる。」とか、「結果を出す。」とか短く抽象的な答えが多くなり、怪しくなってきました。
さらに「役員になるための必要なスキルとは?」と問うと、皆さん しどろもどろになり始めました。
考えてなさそうですね。意識して勉強するのとしないのとでは、雲泥の差がでます。
まず、次の役職で求められる要件を言語化しましょう。
人事部が出しているガイドラインなんかがあれば、それを参考にしますが、あっても抽象的すぎて使えないということが多いと思います。
なければ、自ら考えて言語化しましょう。できる部長は、役員にステップアップする要件を考えています。
次に、言語化した要件を腹落ちさせる言葉に変えます。
こうすると自らがしなければならない事がクリアになり具体化します。
それで自らに足りない要件を学ぶのです。ここでのポイントは、学ぶレベルを一段上げることです。
『本を読むレベルから、セミナーに参加する』とか『コーチング・コンサルタント』を付けるとかです。
あと、経営、戦略、財務、法律、マネジメント、リーダーシップなど、必要な項目をバランスよく勉強します。
目標は、社長や経営陣からの質問に、端的で腹落ちした答えが返せるレベルになります。
それぐらい理解度を深めなければなりません。付け焼き刃では、ダメなのです。
学びのレベルを一段上げる。理解度も深める。
最後に、学んだことを実行します。例えば、戦略論を学んだならば、経営方針や中期経営計画から落とし込み、部の方針や戦略を策定します。
ここでのポイントは、2年後、1年後、半年後など、まとまった実績を半年ごとに出せるように難易度を調整してプロジェクトを策定します。
どの課に担当させるかなどバランスも考えなくてはなりません。
2年後にドンっと出すのではダメで、その間に自らが異動することも織り込んでおかないといけません。
半年ごとにまとまった成果をだす。
ルーチンワークが主な間接部門は、業務を簡素化や廃止するなど「棚卸しプロジェクト」も有効でしょう。
他社事例を取り入れた生産性向上や要員適正化などスリムな運営にも取り組みます。
女性が多い職場の場合、ワークライフバランスへの取り組みをより積極的に推進し、働きやすい環境を整備して有能な女性を獲得し、流出を防ぎます。
できる部長は、役員レベルの視点を持って、部門を運営しています。
現状維持や自部門だけが良くても仕方ないのです。
連携部門や会社全体のことを考えなければなりません。
つまり、できる部長の仕事術とは、部長レベルだけでなく、その上のレベルを目指しています。