社内結婚をめぐる人生ドラマ
コンサルタントをする中で、多くの会社で社内結婚にまつわるエピソードを聞きましたので、社内結婚を考えている人のお役に立てればと思います。結論からいうと、社内結婚のメリットとデメリットの両方が会社人生の中で訪れます。
運命の人は半径3メートル以内に必ずいる職場。
新入社員が多く配属される研究部門や開発部門では、座る机の半径3メートル以内の人と職場結婚するという噂の部署がありました。
若い職場で、ほぼ100%社内結婚の部署でしたが、その会社は社内結婚すると、どちらかを違う部署に移動させるという暗黙の了解があるそうです。
結婚すれば、好きな研究を続けられなくなります。なので、どちらかの異動で結婚をするカップルが多いそうです。
社内結婚の社員に揺さぶり。
また、ある会社では合併して人余りしており、早期退職制度が促されるほどの余剰感がありました。ここで真っ先に狙われたのが、社内結婚の社員でした。夫と妻のどちらかを地方に異動させるのです。
職場を統合するとのことで、2人がいる職場がなくなります。同じ勤務地に行けるのであれば、配慮を感じますが、そうではありませんでした。
2組の社内結婚組がいましたが、1組目は妻が会社を辞め、夫についてったそうです。もう1組目は夫が単身赴任を続けて、夫婦で働いていて、もう、10年以上も単身赴任を続けているそうです。
その会社は業績が良いのですが、内情はこういうものなのでしょうね。
夫婦の役職差が辞める原因に。
社内結婚では、時よっては夫婦の役職差も会社に居づらい状況となるようです。同期で社内結婚した夫婦は、勤続10年目あたりから、妻の昇進速度が速くなり、同期の中で最速で課長となりました。
妻が違う会社であれば、問題なかったのですが、夫は引け目を感じるようになったということで、転職してしまいました。
夫も決してできないという方ではなかったそうです。ですが、夫は妻の実力も知っているが故に、会社の人事評価を信じられなかったのでしょうか。
そんな噂もあったそうです。その会社では、夫が役職が上の場合が多く、その夫婦では、辞める人はいないとのことで、辞めた先述の夫は、「男のプライド」という奴が邪魔したのかもしれませんね。
夫の転職で離婚した夫婦
こちらは会社の業績が悪く、かなり深刻な状態でボーナスの大幅カットなどが行われていました。その社内結婚カップルの夫は外資系の会社に転職が成功したとのことでした。
しかし、その外資系会社の攻勢で元いた会社の業績が悪くなっていたそうです。いわゆる、ライバル会社に転職して、前の会社に見切りをつけた形になったそうです。
妻は職場に居づらくて、「彼とは離婚した。」と人前ではばかれることなく、宣言したそうです。夫婦中は悪い訳ではなかったので、離婚の真相は分かりませんが、社内結婚であれば、転職先も考えないといけない事例です。
淡々と仕事をこなす熟練社内結婚の夫婦
最後は、いろんな試練を乗り越えた社内結婚の夫婦がいます。地方の製造所に勤めるこの夫婦は、夫が定年退職で嘱託勤務、妻はあと数年で定年退職だそうです。
夫の異動、役職差やポストオフなどいろいろ経験してきて、それを乗り越えて来たそうです。その都度、職場でいろいろ噂されたり、夫婦で陰口を言われたりしたそうです。
そんな噂に惑わされず、陰口に立腹することもなく、受け流して来たそうです。噂も陰口も取り合われなければ、しばらくすればなくなるとのことでした。
「プライドとか、ちっこいことを言ってちゃダメだよ。」
その夫の言葉が印象に残りました。社内結婚するにはそれぐらいの心構えが必要なのかもしれませんね。