重箱の隅をつつく業務から、標準化業務へ移行する。


目の前に問題があっても、それに対する問題意識が無ければ、気がつきません

これまでの日本の職場では、その問題意識が重宝されました。

つまり、重箱の隅をつつける、よく気づく人が重宝されました。しかし、生産性を重要視し始めた昨今では、状況が少し変わってきています。

よく気づくだけではいけなくなってきました。そういう業務は、過剰品質であるため、コストがかかっています。つまり、リスクとベネフィットを考慮した標準化業務に移行しなければなりません。

業務は、0から60点の合格レベル、60点から90点の完成レベルにするのと、90点から細部を詰めて100点の完璧レベルでは、同じくらいの労力と時間がかかります。

資料作成でいえば、

60点合格レベル⇒部内資料、通常資料。

90点完成レベル⇒取締役会やお客さんへの提出資料。

100点完璧レベル:行政や官公庁への提出資料や、論文や出版物など。

官公庁とやりとりする部門では、提出資料は最低でも90点の完成レベルが必要です。ここを60点の合格レベルで仕事を進めてはいけません。しかし、部内ミーティングで90点資料がいるかというと疑問になります。目的によってレベルを柔軟に変えなければなりません。

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Aさんは業務の改善点に良く気が付く人で、「問題意識が高い」と評価されていました。そんなAさんはマネージャーに抜擢され、日々の業務に邁進していました。

しかし、問題意識があるのはいいのですが、何の為にするのかという目的が絞れていなかったり、内容の乏しい資料に、グラフの見栄えや文章の「てにをは」まで添削するなど、生産性が低かったりしたそうです。

得てして重箱のすみをつつくことで、全ての仕事の完成度を上げています。また、発生リスクが低いにもかかわらず、予防線を張る業務にも勤しむのでした。

しかし、常に残業をしており、その時間外の勤務時間が突出していました。チーム員はそんな硬直化した業務に疲れていました。

そんなある時、会社は生産性で業務評価する形に移行しました。Aさんチームは最低評価となったそうです。時間外勤務の上限も圧縮されてしまいました。

部長からは「全てがオーバークオリティだ」と注意されたそうです。このチームでは、合格、完成、完璧レベルに仕事を棚卸して、対応することにしたそうです。

高品質だけど不要な機能が多く独自の進化を遂げるのことを「ガラパゴス化する」といいます。

スマートフォンとガラケーといえば分かりやすいでしょうか。みなさんの仕事はガラパゴス化していませんでしょうか? 振り返ってみませんか?