できる役員は、社長のみえない虚栄心を静かに満たす。
社長は、露骨に「ヨイショ」されると嫌悪感を抱きますが、分からないように虚栄心をくすぐられたいものです。
例えば、日経新聞の端っこに社長の記事が載るとか、一見さんお断りの祇園のお茶屋さんに行けるとか、情報交換のための同業他社の社長どうしで会食なんかセッティングされると悪い気はしないですよね。
できる役員は、そういうことがさりげなく出来ます。
つまり、役員にもなればそういう手配が出来るコネや特権を入手しておく必要があります。
ポイントは、社長個人へのゴマスリではなく、会社のことを考えていることを前面に出します。
①社長の報酬を自在に操る財務役員
ある大手企業の財務役員は、役員報酬が1億円を超えると有価証券報告書に記載しないといけなくなることになってから、世間の反応が分からないため社長の報酬が1億円を超えないようにしていました。
しかし、1年前ぐらいから同業大手他社の社長が続々と1億円超えが報告された頃から、今年は超えるようにしたそうです。
それで、社内外から社長は羨望の眼差しで見られていました。
社長は弱り顔ながら悪い顔はしていません。
その役員は、他社と同水準の報酬体系である事を静かにアピールしたのです。
来年は副社長も超えさせるようです。
何かしら業績連動の反映を大きくして、役員報酬をほんの少し上げるようにしたそうです。
財務役員は、そんな手腕を買われて常務執行役員になりました。
②TVのCMに起用している女優が、花を持って本社を訪問する。
これも大手企業の広報系の役員なのですが、TVのCMに起用している大物女優を舞台稽古の合間に本社に訪問させるということを仕込みました。
本当にその女優が花束をもって本社に来てくれました。
社長をはじめ、普段は顔をみせない会長までが本社に来ています。
握手をして会長は鼻の下を伸ばしています。
女優:「素敵な会社ですね。」
社長:「ありがとうございます。私が今度の舞台にお花をお届けします。」
女優:「ほんとですか? とても光栄です。」
そんなたわいもない会話を5分して、女優は帰りました。
記念写真が社内のイントラネットに載っています。
そんな手配ができる役員も重宝されています。
まとめ
できる役員は、これみよがしな「ヨイショ」はしませんが、みんなに分かりやすい結果を社長に持たせます。
それが、報酬であったり、マスコミ関係であったり、ちょっとした社長の虚栄心を満足させます。
たわいもないことですが、重要なことになります。