働き方改革? 残業代は生活給なので、減らせない。

「働き方改革」で労働時間を短くしようとしています。
しかし、「働き方改革」を成功させるためには以下の3つの要素が必要と思います。
①「残業してもしなくても給料は変わりません」として、残業代を基本給に入れる。
②生産性で業務を評価する。
③管理職が率先して、早く帰る。
多くの会社では、社員が残業した時間についてお金を払っています。
昔の高度成長期であれば、多くの会社が製造業で
残業時間=生産数量
として、時間と生産数に相関が強くあり、時間にお金を払うことに意味がありました。
「作れば作るほど売れた」そんな時代でした。
一方、現在の日本では、残業時間と生産数量が必ずしも相関しなくなりつつあります。
生産部門や営業部門ではない、いわゆる間接部門の人たちの業務は、特に時間と生産数が直結しません。
それでも残業時間が減らないのは、残業代が生活給であり、減らせないのです。
だから、仕事を効率化して定時退社しても、給料が減るだけで社員には何もメリットはないのです。
なので、会社の「残業時間短縮」の号令も進みません。
それは、従業員の意識が低いために、進まないのではありません。
会社の給与システムを「残業してもしなくても給料は変わりません」として、根本から変えないと、「働き方改革」は進みません。
残業しなくても、給料がでるのであれば、皆さんさっさと仕事を片付けて帰ります。
そうなると「働き方改革」は進みます。
もうひとつには、長時間労働している人が昇進しやすいということがあります。
ある調査では、有給休暇の取得率の低い人(よく働く人)が昇進しやすいという結果もあったりします。
あなたの周りの課長や部長はどうでしょうか?
朝1から机に座って、夜遅くまでいませんか?
出世したい人はそんな人達の姿を見ていますので、早く帰ることを躊躇します。
ここに時間あたりの生産性の評価という考え方を持ち込むとどうなるでしょうか?
それは、去年と同じ仕事を同じ時間かけて、やっていると評価されないのです。
つまり、生産性を上げないと評価されないのです。
生産性を上げるとは、自分の成長でもあるのです。
生産性の向上に対価が払われ、昇進する仕組みにするとどうなるでしょうか? みんな生産性をあげようとします。
そうなると仕事を早く仕上げて、これまで5人でしていた業務を効率かして3人で回すようになります。
なので、会社は経費が浮き、ローコスト経営が進みます。
一方、これまでの課長や部長の仕事ぶりでは、生産性は低くなります。
考え方によっては、不要な仕事を朝1から夜遅くまでかけてしているとも思えます。
私が社長なら、そう考えます。
「管理職が率先しない取り組みなんて、部下が従わないのは当たり前です。」
「社会のルールが変わってきていると説明しても、中間管理職はなかなか動かない。」と、ある経営者が嘆いていました。
そうこれまで、長時間働くことで評価されてきた人達の行動を変えることは難しいのです。
しかし、部長や課長の中でも、社会の動きに敏感な人は早く帰るようになってきています。
この人たちは「生産性」をキーワードに部下を評価するといいます。
少し社会が動き始めています。
気が付いたときには、遅かったとならないように気を付けましょう。
部下の労働時間を短くして生産性を上げるためには、まず、管理職の生産性を上げなくてはなりません。
部下に分かりやすいように、定時になったら「お疲れ様!」と大声で退社します。
管理職は定時に帰るために、段取りを行い、不要な仕事をやめます。→生産性の上がる活動:がんばるタイム応用編
社会が急速に動いています。
「うちは中小企業だから、必然とブラック企業になってしまうよ」など社会が許容する訳はありません。
ルールが変わっています。
知らないうちにルール違反で退場とならないように気を付けたいものです。