会社のやり方が正しいとは限らない。

今日は、会社のやり方が正しいとは限らないことを事例を用いて紹介したいと思います。

①合併したら、相手先の仕事のやり方と正反対だった。

②お先真っ暗と思ってた事業部門を買いたいという会社が現れた。

①合併したら、相手先の仕事のやり方が正反対だった。

これは私の体験なのですが、規模が同様の同業他社と対等合併した時のことをお話したいと思います。

私は間接部門に所属していたのですが、部長人事は両社のたすき掛けとなり、これまでの自分の部長が課長降格となり、相手先の部長がそのまま部長として、新社でその間接部門が発足することになりました。

つまり、相手先の社風で部が運営される事を意味します。

部の運営では、指示の仕方も全く異なります。相手先の部長はトップダウンで指示します。

反論の余地はありません。

これまで部下の意見も聞き入れて進めるのが、旧社のやり方でした。

それは、部長が正しいとは限らないので、仕事を最適に仕上げることが暗黙知として旧社にはありましたが、新社になってからトップダウンの指示です。

部長は権限を最大限に使って権威を示します。

部長の器の小ささが露骨にでますので、これが非常に苦痛で仕事を進めた記憶があります。

また、容赦のない予算カットや人件費圧縮策などに辟易していました。

新部長:「そんなことだから、お前の旧社の人件費が高止まりだったんだよ。

と言われて何も言い返せなかったことを思い出しました。

また、相手先の運営方法で予算が削られた研究部門は、研究予算がなく期末の1ヶ月は報告書ばかりを作成していたと聞いて、私自身がカルチャーショックを受けた記憶があります。

つまり、今の会社で良いと思ってやっていることも、他社では間違っていることになります。

なので、会社で何が正しいなんかありません。それは、単に一つのやり方に過ぎません。

②お先真っ暗と思ってた事業部門を買いたいという会社が現れた。

これも私の体験したものなのですが、私の在籍した会社ではある事業部門Aがあり、売上は落ちないのですが利益率が低く1%前後で安定しています。

決して赤字にはならないというところが、魅力といえば魅力になります。

しかし、他の部門はその部門の10倍以上の売上と利益率があり、当時の会社は事業部門Aを旧態でダメと捉えていました。

そんな矢先、その事業部門Aを買いたいという会社Fが現れたのでした。

この会社Fは、主力商品であったものが他社の技術革新により陳腐な商品に成り下がったのです。

つまり、会社Fの売り上げは、毎年半減していました。

なので、会社Fは急速に事業の多角化を目指して買収を繰り広げ、売り上げの目減りを防いでいます。

それで、売り上げがおちない事業部門Aが非常に魅力的に見えたそうです。

事業部門Aは赤字にならず安定しているので、来年の売上と利益も予想できます。

両社の思惑が一致して事業部門Aは、すぐ会社Fに売却されました。

その後、会社Fは事業部門Aに投資を始めます。

そうするとどうでしょうか。

みるみる事業部門Aの利益率が上がってドル箱部門となったそうです。

売却した会社は、事業部門Aに投資していなかっただけで、儲かる事業部門を売却したことになります。

なんともお粗末な結果となりました。

とめ

自分の会社のやり方が正しいとは限りません。それは一つのやり方に過ぎません。

課長や部長はそれをわきまえて、部下を指導し、部や課を運営しなければなりません。

ゆめゆめ自分たちが正しいと思うと、よいことになりません。

また、自分の会社がダメだと思っても、他社からすれば宝の山なのです。

なので、一つの考え方に固執するとよくありません。

つまり、自社の現状認識を変える。認識を再定義することが求められています。

会社Fは、事業部門Aを投資がされていない優良な事業部門と再定義したのでした。

その認識に基づいて「ピグマリオン効果」が発揮された例だと思います。