批判だけでなく提案をセットする。また、実行だけでなく成果を追求する。そのためにフィードバックをしてもらう。
今日は、行動様式を高度にしていかないと、会社での職位が上がらないという事をお話します。また、そのために他者からフィードバックを受けることをお勧めします。
行動様式を高度にするとは、分かり易く言えば、職位によって行動様式を変えることです。
①行動様式を高度にする。行動様式を変える。
例えば、若手がこれまでの業務のやり方を批判しても、「課題意識が高い」となりますが、それをずっと続けて中堅になると、「提案力がなく批評家だ」という評価になります。
また、提案力もある課長で実行力も申し分ないのだけど、成果の追求まで出来ていなければ、「成果追求力が弱い」として部長にはなり難いと思います。
つまり、どこかでより高度な行動様式を取り入れなければなりません。係長や課長などの職位は行動様式が変化しないと万年の役職となります。
「自分が高卒だから学歴を重用するこの会社では昇進できない」とか、「能力のある部下がいないからダメだ」とか自分の外に責任を置くと行動様式を変えれません。
だから、「自分はこう考えて、行動をこう変えて、成果をこう出してみる」と行動を変えます。
②職位が上がる人は自己客観性が高い。
行動様式を変容できる人は、すなわち自己客観性が高く自分がどのように見られているか分かっている人だと思います。
つまり、「自分が他人からどう見られて、どう変えて行ったら良いのか分かる人」が、偉くなると言えば分かるでしょうか。
ほとんどの人はそれができません。
③強制的にフィードバックを受けて、自己客観性を高める。
なので、コンサタントを雇い、自分がどう見られているかを強制的にその人にフィードバックさせている人がいます。
あるA部長はそんな1人でした。
私と6ヶ月に渡るコンサルタントを行い、行動様式を変容させて自信をつけました。
A部長は3課の30人の部下を持っていました。A部長はお世辞でも良い部長とはいえず、ワンマンで部下の話は聞きません。威圧的ではないのですが、頭の回転と行動が早いのです。
人の話を1聞けば、10まで先が分かるという感じです。これまでの経験から早合点することもなく、答えが外れることもないそうです。
それはすごい事なので、A部長の強みとしてフィードバックとしてお伝えしました。しかし、面談を通じて、私にはどうも腑に落ちない点がありました。それは面談の最中に目が宙を泳ぐのです。
A部長が人の話を聞いていないというのが、手に取るように分かりました。それは、他人を受け入れたくない様にも見えました。それも、率直にA部長にフィードバックさせてもらいました。
A部長:「そんな事は思っていないよ。」
目が泳いでいます。
私:「部下の話よりも、話す部下に興味を持つのはどうでしょうか。」
そんな提案をしてみました。
A部長いわく、すぐには修正できなかったけれども、何度か試しているうちに話す部下に興味が持ち始めたそうです。
A部長:「最初は部下が何故そうなるかなと考えてたけどね。でもね、彼らの話し方が気になって、いつもよりも話を聞けたんだよね。」
その頃から部下のA部長に対する印象が変わり始めました。
部下が言うには、「以前と比べて話を聞いてもらえて、その上で方向性が間違っていない事を話してくれる。」そうです。
つまり、A部長は部下の話を受け入れる事ができるようになっていました。これをまたA部長にフィードバックしました。
A部長は自らの行動様式を少しずつ変容させることができています。最近の面談では、A部長の目は泳がなくなりました。こちらをしっかり見ています。
面談では、「余裕」というのが感じられるようになりました。部下も安心して仕事ができるようになったそうです。
自らの行動を変容させるのは、難しいものです。
というのも、私も違うコンサルタントにどう見えるかフィードバックを受けて、行動様式を変えようとしていますから。。