専門が異なる部門に配属された課長で成功する人とは?
課長研修で言っていますが、課長になって3年以内の人や、専門が異なる部門に配属された課長には、もっと課長職の勉強をするようにいっています。
例えば、本で勉強するには、30冊以上の課長職(マネジメント、リーダーシップや人材育成)の本を読むように言っています。
2週間で最低1冊で、月2冊で一年以内に読破するようにして、そのほか、セミナーへの参加や、業界活動を積極的に進めるように指導します。
というのも、現状では、課長の部下は自分よりも年上の人が多く、年下の部下が少なかったり、いなかったりします。
なので、業務の実力も課長と年上社員とで、そんなに差がなかったり、逆転現象が見られます。
専門性を買われて課長になったのですが、その分野では、知識量や経験量で部下に負けている所があるのです。
その上、マネジメントスキルがないと、課長としての役割を果たせません。
ですので、ますます課長はマネジメントスキルを勉強する必要があります。
専門分野のスキルは、課員に負けていても問題ないのですが、マネジメントスキルは課内でトップを維持しなければ、面目がありません。
例えば、ベテラン係長にはこれまでの知識量や経験量では負けますが、今後の動向からの計画策定では、課長は負けてはいけないのです。
また、課員のモチベーションを維持したり、新しい業務を作ったりするのも、課員に任せず、全力投球しなくてはいけないのです。
負けたり、任せたりするとどうなるか?
課を安定的に運営できなくなります。
それは、専門分野で判断できない場合でも、課員に判断を丸投げしていたり、部長に判断を委任すると課長の存在価値はなくなります。
そんなことをすると、まず、課員が課長のいうことを聞かなくなり、統制がとれません。
それは、部長からみればマネジメントができていないと判断され、どちらからの評価も悪くなり、最悪の状況を迎えます。
そのまま放っておくと、課員から頭ごなしに部長に判断を求めたりされます。
先に課長へ案件を通すように言っても、「○○案件ですが、課長は判断できないでしょう」とか言われる始末です。
課長の上司の権威を守ろうとパワープレイでやっちゃうと、短期的には効くでしょうが、長期的な課員のモチベーションを上げることはできません。
じゃ、どうすればよいのか?
マネジメントの勉強をするのです。
また、自分の置かれている業界の動向を勉強しましょう。
一年以内にその業界の動向を把握し、課内でトップを目指します。それを課内で実行するのです。
実行しなければ、意味がありません。
どういうことかというと、専門分野では、上がってくる報告書に付加価値をつけるコメントや追記をするのです。修正ではありません付加価値を付けるです。
課員の実務での相談にも新たな観点から付加価値をつけます。
また、マネジメントでは、隣の課長や部長との折衝を積極的に請け負います。
さらに、自らの部長を巻き込み新しいプロジェクトを立ち上げます。
ここにやる気のある課員を割り当てたり、自らリーダーシップを発揮したりします。
例えば、難しいけど儲かる新規分野の参入検討プロジェクトなど仕事を作るのです。
生産性を上げるプロジェクトでも良いですね。人事部や経理部ともパイプを作り、動向や情報を入手します。
いうなれば、課員ができないことして、独自の位置を確立せねばなりません。
人材育成も率先して行います。
それは、課員を観察し、強み弱みを具体的に記録する。
この記録することが大切です。その人の人材育成方針を立てる。年上であったとしてもです。人材育成をあきらめてはいけません。
課内では必要なスキルだけど苦手としている人には、OJTだけでなく外部セミナーに参加させ、習得させます。新しい知識を求めている人には、業界活動に積極的に参加させます。
経験が豊富な人には勉強会を立ち上げさせて、後進へのノウハウ伝授などをお願いします。
その人の強みを伸ばすことと、弱みをカバーできるようにするのです。そのために、予算を獲得することも必要になります。
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専門が異なる部門に配属された課長で成功する人は、どうしているかというと、課員の人材育成に注力しています。
それが人心を集めることができる王道なのです。
その間に専門知識を蓄えるのです。時間稼ぎをしながらマネジメントするのです。
それが功を奏して「専門性は発展途上だが、あの課長はできる」という評判になるのです。部長も同じですが、課長ほど切羽つまる訳ではありません。
それこそ、専門性は課長に任せれば済む話でもあるのです。
ある会社は景気が良く、間接部門のA課に社員の他に2人の派遣社員を入れて、業務をサポートしてもらっていました。
そこのA課長は違う部門から登用された課長でしたが、人材育成に定評があり、課員の能力とやる気を引き出すのが上手でした。
一人目の派遣社員の成長はめざましく、半年で、それまでの仕事を半分の時間でこなすスキルをその職場で獲得したのでした。
A課長はその人の強みを理解して、それを発揮できる仕事を与えたのでした。その派遣社員は功績が認められて、一年後には正社員になることができました。
もう一人の派遣社員は、じっくりタイプです。
その人には難しい仕事をやってもらったそうです。難しくても粘り強く頑張る人で、A課長は丁寧に仕事のやり方を教えていました。
A課では、その難しい仕事をする正社員が定年退職してしまい、その仕事をする人がおらず、その派遣社員も正社員になることができました。
こうなるとA課長は、「人材育成課長」と評判が立ち、隣の課から上司と軋轢があった人が異動してきました。
その人自身に問題があったのではなく、単に上司と折り合いが悪かったそうで、隣の課からくる膨大な書類担当になってもらったそうですが、前の課では自らが作成していたこともあり、水を得た魚です。イキイキと仕事をしていたそうです。
このようにしてA課は課員が増えて大きくなることができたそうです。専門性がそんなに高くなくても、課員の強みを引き出す人材育成で組織をマネジメントできる良い例だと思います。
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一方、B課は、業界の動向を元に新設された課で、そこのB課長も違う部門から登用された課長でした。
やはり、B課長も専門性が高くなく、人材育成も熱心でなかったため、部下は2人しか当てがわれず、その部下も一年ごとに「教育ローテーション」という名目で異動していました。
そのB課に違う課から話を持っていくにしても、その課の誰しもが専門性が高くないため、B課長と話しても要を得ず「何をしたい課なんだ」とか揶揄される始末でした。
B課長は早急に専門知識を増やすとともに、魅力的な人材育成を行って部下の流出を防ぐことをしなければなりませんでした。自らの地位を確保できる状況には見えないそうです。
まとめ
課長はもっと課長職(マネジメント、リーダーシップや人材育成)の勉強する。また、担当職種の専門性を向上させる。
課長は、専門性を獲得しながら、課内でリーダーシップやマネジメント能力を十分に発揮しなければならない。
課長は、課長しかできない人材育成や仕事の創出に注力する。
専門が異なる部門に配属された課長で成功する人は、人材育成が上手である。専門性の低さをカバーできるのである。