緊急事態には部長が全面指揮に当たる。Noblesse oblige ノブレス・オブリージュ
あなたの会社は、新聞やテレビに報道される事態になったことがあるでしょうか?
今日はそんな事態になった場合の部長の対応の仕方をお伝えしたいと思います。
それは、ある会社様をコンサルティングしていた時に、その会社の製品試験に関わる不祥事が発覚して、マスコミや世間から批判される事態になってしまいました。
そんな時、当事者である部長はどうするか?
そのA部長は、陣頭指揮を取らずに部長補佐と課長に原因究明を指示していました。
課員は朝8時から夜も10時まで会社内を情報収集で駆けずり回っていました。関係する会社に事情を説明に行く人もいたそうです。
本部長はA部長に前線で指揮するように指示しましたが、そんな面倒なことは、まっぴら御免と平然としています。
その時の会話が聞こえてきます。
本部長:「A部長! 君は何をしとるんだね。」
A部長:「部長補佐と課長に情報収集させています。昨日には最新の報告を本部長と社長にはメールで報告差し上げていますが。」
本部長:「そういうことじゃなくて、部内のこの状況を得意先に説明に行くとか、いろいろあるだろ! 原因がはっきりしないとキミは動かないのかね?」
A部長:「そう言われましても。原因が分からない時に謝りに行くのも不自然ですし。」
本部長:「分かった。この状況を1番分かっているのは、部長補佐だね? 分かった。部長補佐に尋ねることにする。」
そう言った本部長は、「部長補佐にマスコミ対応するように指示するから。A部長も承知しておくように。」と捨てゼリフを吐きながら、怒って去ってしまいました。
それから1ヶ月後にA部長は、この事件から外されて閑職に異動となりました。
代わりに、陣頭指揮を取った部長補佐が部長になり、全面で先頭を切ってお詫びとして、全国にお詫びに回っていました。
ある会社にお詫びに行った際には、「出入り禁止だ」と言われたそうです。それでも真摯に謝る新部長だったそうです。
新部長は苦労をかける部員にも丁寧に声をかけています。そんな部はいつしか見たことないくらいの結束が生まれたそうです。
その部が頑張って対応したことにより、事態は収束の方向に向かいます。この間は半年かかったといいます。
部長は平時には、ドンと構えていてもいいのですが、このような緊急事態では、前面に出てリーダーシップを思う存分に発揮しなければ、事態を収拾することができません。
それは、戦時になればイギリスやフランスの貴族が先頭に立って戦いにいくノブレス・オブリージュにも重なって見えます。
緊急事態には、部長の対応姿勢やリーダーシップが試されます。
リーダーは、先頭切って難局に突入しないといけないのです。
逃げてはいけないのです。