仕事の任せ方。



ある課長研修でのことです。そのマネジャーは、「任せられる人がいないんだよね」と平気でおっしゃっていました。

それは、自ら人材育成能力が低いと宣言しているように聞こえました。

仕事を任せないと、部下は成長できないし、マネジャーとしての成果もでない。

任せたいけど失敗するのは嫌だし、自分がやった方が早いなど、任せたいけど任せられないジレンマを抱えている方もいらっしゃると思います。

今回は仕事の任せ方についてお話します。

結論から言うと、部下を信用して、思い切って任せます。最終責任は自らとると腹をくくります。

しかし、何もしないで、任せるのは良くありません。当然ですが。。。

まず、部下のレベルを把握します。任せる仕事が難しすぎないか考えます。難しい場合、任せる仕事の一部分を切り出して担当させます。

一つの仕事を切り分けて、複数の部下に担当させてもよいでしょう。適切なレベルは、60~70%出来そうなら、思い切って任せます。

次に、任せる仕事の背景と目的を説明します。

この時合わせて、任せる仕事の意義と部下への期待を話します。これを省くと部下のモチベーションが維持できません。

ルーチンワークでは、忘れがちになるのですが、最初に携わる部下には、この仕事の意義や目的を説明します。

最後は、仕事の期限、求められる仕事の完成度、優先順位、報告頻度など、任せる仕事について部下と取り決めます。

まとめると、

①部下のレベルより、少し難しい仕事を任せる。

②仕事の背景、目的、意義や部下への期待を話す。

③仕事の期限、完成度、優先順位、報告頻度を取り決める。

任せ方の上手なマネジャーは、これを必ず押さえています。

詳しく見ていきますと、

①では、難しい仕事がなければ、作りましょう。

例えば、ルーチンワークでも生産性を上げるためのプロジェクトを作るとか、業界紙や専門雑誌に投稿するための原稿を作成してもらうとか、あの手のこの手を使って作りましょう。

ポイントは、その人の強みに注目します。

例えば、分析が得意な人には、調査データから分析を依頼するとか、逆に、発想力のある人には、これからの業界動向について提案を依頼するなどです。

新人や業務経験の少ない人には、業務のやり方を教える方が有効です。ポイントは、業務プロセスと出来上がりの完成形を見せて、90〜95%程度になるまで、丁寧に教えます。

②では、仕事の背景を説明します。どの会社も、製品やサービスを生み出しているのですが、その上流から下流までの工程が分けられていて全体像が見えません。

なので、目の前の仕事がどこに位置付いているのかが、分かるだけでも納得して取り組むことができます。

さらに、仕事の経緯や目的を説明すると、正しい方向性を見失うこともなくなります。あと、部下への期待は、必ず伝えます。

そうすると、部下の目が光るのが分かります。

③では、仕事の期限を伝えます。

ポイントは取り組むスタートラインも設定します。期限を守れないのは、スタートが単に遅いことが多いからです。完成度は、半製品なのか完成品なのかを取り決めます。

優先順位は、プロジェクトのかけもちをしている人では、このプロジェクトを優先するとか、他のルーチンワークとの優先順位を取り決めます。

報告頻度も取り決めた方がいいでしょう。

期限の半分で中間報告するとか、毎週、月曜日に進捗報告するなどです。これで軌道修正していきます。

このように、報告頻度を決めておくと報・連・相が悪いなど部下と不要な軋轢が生じなくなり、進捗管理の失敗も少なくなります。

この3点に気を付けると、失敗を防ぎながら、部下に仕事を任せることができます。

 

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